またまた六か国協議である。そして、相変わらず協議は難航していると報道されているが、私的には北朝鮮への対応の結論が出ているので、この話題を取り上げるのが邪魔臭かったのである。…でも、折角だから少しだけ触れときます。
協議が難航している原因は、北朝鮮がいつもながら法外な見返りを求めている事にあるのと、北朝鮮という国家自体にイササカの信頼性をも見出だせないことによる。
今回の協議でも、北朝鮮の核施設稼働停止の見返りとして、50万Lの重油か200万kwの電力を要求しているが、北朝鮮が本当に合意内容を履行するかは未知数である…というより、過去の事例を引き合いに出すまでもなく、裏切られる結果を招くことは明らかだ。
六か国協議を開催する以上は、関係国としても何等かの合意を得たいのは当然であるが、北朝鮮に信頼性が全く無い現状では、その合意文書の文言にも神経を使わざるをえないのだ。…つまり、北朝鮮の核放棄の見返りにはエネルギー支援を与えるという"総論"には合意しているが、具体的に、どういった手順で核放棄に至るのかという"各論"での文言で難航していると考えられる。
アメリカとしても、クリントン政権の時代から北朝鮮には騙され続けているのだ。
北朝鮮のいう核施設稼働停止が、単なる"稼働停止"であるのか、核放棄を現実のものとするために、施設をコンクリートで封印するなどの具体的な文言の記載がされるかのかは重要である。
…もし、今回の協議が、単なる"核施設の停止"などという文言での合意であるならば、早晩、北朝鮮による"核の危機"が再燃することになる。つまり、エネルギー支援を受けた北朝鮮が、一旦停止した核施設を再稼働させるというシナリオであるが、 テロ国家たる北朝鮮のことであるから、あながち的外れではないと思われる。
また、ロシアの外交官の話として、今回は合意に至らず、"議長声明"というかたちでの六か国協議閉幕が予想される…と伝えられたが、奇妙で抽象的な合意をみるよりは合理的である。
いずれにせよ、これ以上、北朝鮮に騙される訳にはいかないのだから…