先日、私がブログをお休みした理由として「各ニュースが一段落した印象を感じたために、何となくエア・ポケットに入ったみたいです。」と書きましたが、冷静に考えてみると「一段落」したのではなく、自身の判断に迷いがあったことに気が付きました。それは、北朝鮮による核実験の可能性や小泉首相の靖国参拝についてなどですが、この内、靖国参拝については解決しましたね・・・
16日の衆院予算委員会において小泉首相は、自身の靖国神社参拝について「他国にとやかく言われる筋合いはない」と発言しました。この事から考えると、小泉首相が靖国参拝を今年も実行するのは確実では無いかと考えられます。私は靖国参拝には反対では有りませんが、例の「反日デモ」騒動における中国や韓国との関係修復を優先し、自重する可能性も否定できないかなぁ・・・と迷ったのでした。
中国や韓国は「反省を行動で示して欲しい」と発言し、暗に小泉首相の靖国参拝の中止を求めているようですが、靖国参拝については、その目的が「慰霊及び平和の誓い」であるという事を、何回もかなりの時間を取って中国側には説明していますから、今回の首相の判断はその趣旨に沿ったものであると言えるでしょう。
・・・勿論、その結果として戦後60年という節目であることから「反日デモ」再発という事態が発生するかもしれません。しかし、目先の危機を回避するために信念を変更すると言うのは、外交という面から考えると、かえって問題を複雑にし、日本の国益を失う結果となるのではと考えます。・・・首相が靖国参拝を中止すれば、度重なる「慰霊及び平和の誓い」であるという参拝理由の説明に労した時間が無になるばかりでなく、「靖国参拝」が引き続き「外交カード」として利用可能であると近隣諸国に印象付ける事になります。今回の首相の発言には「靖国」を外交カードとして使わせないという決意の表れであると思います。
中国は「反日デモ」での謝罪を依然として行っていないという事実が有ります。これは、国際的にも非難されている点であり、中国自身が気がかりとしている所です。先の町村外相の中国訪問におけるエピソードとして、「日本は北京オリンピックをボイコットするというのは本当か?」という中国要人の発言があったそうですし、例の、日本人を激怒させた李肇星外相の「日本国民に対して申し訳ないことは、何一つしていない」という発言も、実は、外相本人の意見ではなく、事前に用意された文章を読み上げたものであるという事実があります。
・・・これらのエピソードから考えても、暴徒化した「反日デモ」に対する海外からの非難が予想外に強かった事実は、中国政府にとって想定外であったのです。北京オリンピックや上海万博を控える中国は、こうした海外からの批判には日本が思う以上に敏感になっているのではないでしょうか?