いつもの骨董屋さんで「こんなんどう?」と出されたのがこのプレスガラスの皿なのですが、第一印象は「何も特徴がないなぁ…」というものでした。ただ、店主が「結構、古いんやで!」と強調するので再確認してみると、見込みの縁に沿って「S.ITONAGA」と読める陽刻のサインがありました。
小生、何か記憶にあるなぁ…と思ったので色違いで購入し、帰宅してから調べてみると、とある雑誌に短い文章ながら「糸永新太郎は明治初期に東京でガラスの製作を行った」とありました。
サインはブルーの皿にはありませんでした。また、そのサインもNの字が逆字になっています。
このプレスの皿を最初に見たときには、プレスの製品にしては、その滑らかさから明治の出来とは思わなかったのですが、なるほど、東京のガラス製品だったのでありますね。また、底面にポンテ痕らしきものが見られますが、当時、東京と大阪ではプレスの機械が違ったのが製品に表れたのでしょうか?
そういえば、以前にプラスガラスのカット風の鉢をアップしましたが、それにもポンテ痕があり「はてな?」と思っていたのですが、ひょっとしたら、こちらも東京製のガラス製品であったかも知れません。
プラスガラスの皿のことをレースガラスとも言うそうですが、確かに今回の皿は、ぞの造形からレースガラスと呼んでも差し支えないように思いました。
糸永新太郎製レースガラス皿…径165mm