なんで今頃「牛」やねん!…と一言ありそうですが、「泥牛図」であります。まぁ、これが四天王寺さんで引き取った「お取り置き」の品だったのであります。本当は、新年最初のブログにアップしようと考えていたのですが、やはり干支が気になりまして、本年最後のブログにアップすることになりました。
この小鉢を入手したきっかけは、特に目的地ではなかったのですが、近くまで来たついでに老松町に立ち寄った際、店主に「今日は時間が無いので、何か面白いものある?」と声を掛けたところ、「出てきた」モノでして、どうも昔に売れたものの「出戻り」らしく、店主も「こんなの有ったかなぁ?」と首を傾げるくらいに昔に売れたものらしいです。
…ですが、当時の購入者の話では、「5客あったのに無理を言って2客だけ譲ってもらった…」との事でして、当然、こちらの話のほうが確かなのであります。
店主いわく「余り見ないもの」との事でしたが、確かに表が泥牛図で、裏が漢詩というシンプルさではありますが、見込みに稲束が描かれている点は珍しいのかも知れません。(小生、珍なるモノに疎いのだ。)また、時代的には器が端反りなので幕末に近い出来のものと見るのが自然なのでしょうか。サイズ的にも径98-101、高さ67mmと、私がいつも購入する酒器サイズではなく、向付の大きさになっています。
しかし、何故この「泥牛図」がお取り置きになったかといえば、その日の老松町では以前にアップした「雪輪」の膾皿を迷いながらも先に購入したからでして、購入目的無く老松町に立ち寄ったので手持ちの資金が不足していたのでした。…で、無謀にも「取り置き」してもらったのですね。(ため息)
でも、実際にこの小鉢を手にとってみると、思ったよりも造りがしっかりしている印象がして、どちらかと言えば、「雪輪」よりも好印象でした。
来年も伊万里と縁があると良いのだけど、常連となっている老松町の骨董屋さんが、来年3月一杯で閉店するとの事で、こうした「お取り置き」という購入方法も出来なくなるし、面白い骨董との出会いも少なくなるのかなぁ…