アメリカ国内の世論調査によると、北朝鮮がイランに次いで「アメリカに脅威を与える国」としてランクインしたそうだ。本来、アメリカ国民は北朝鮮には関心が無かったのだが、先頃、北朝鮮のミサイ
ルがアメリカ本土に到達可能であると発表された事により、急速に「脅威」として認識されるようにな
ったものらしい。また、北朝鮮の核問題は、何らの進展も無く無駄な時間だけが消費されている現状から解決方法が見出せるのだろうか?
私的には、北朝鮮の核問題は安保理に付託されるのではないかと思っていた・・・しかし、5日にブッシュ大統領と胡錦濤主席との電話会談があったらしく、その結果、「時間切れ」との認識であった6ヶ国協議を半年程度延長する旨、アメリカと中国が合意した・・・と、あるTV番組では伝えていた。6ヶ国協議では、議長国という立場から、中国がその責任を担っているが、もし、安保理に付託すれば、問題解決の責任所在がアメリカに移ってしまう・・・中国の北朝鮮への対応には不満であるが、安保理で制裁決議を得るにも1年近くの審議時間が必要である。ならば、責任を中国に押し付けておく方が得策である。・・・というのがアメリカ側の計算ではないかと説明されていた。
・・・しかし、何らの解決策が協議されずに時間のみが経過するという事態は、北朝鮮の核開発のみが淡々と進行することに他ならない。事実、北朝鮮は、先月には実験炉を停止してプルトニウムを抽出したと考えられるし、また、失敗とは言えミサイル実験も行ったとされる。そして、来月には、IAEAのエルバラダイ事務局長も懸念している地下核実験が行われるのではないかと言われている。
ただ、北朝鮮が、実際に地下核実験を行うかは不透明である。地下核実験が実行されれば、北朝鮮に理解を示す中国としても離れざるを得なくなる事から、北朝鮮の常套手段である、単なる「脅し」である可能性が高いが、パキスタンによる地下核実験方式を踏襲している作業内容からみて、実験を実行する可能性も否定できないのだ。
また、先の北朝鮮によるミサイル発射は、巡航ミサイルの実験ではないかと推測する向きもある。その理由として説明されるのは、命中精度の低いスカッドでは「脅し」に使えないから、在韓米軍をピンポイントで狙えるような命中精度を上げたミサイルを開発する必要が有るというものだ。 勿論、こうしたミサイルが開発される可能性は低いと考えられるが、これには、北朝鮮からの攻撃は無いという韓国の世論を、「在韓米軍が駐留するから韓国が攻撃される」との意識に変化させ、米韓の同盟に楔を打ち込もうとする狙いがあるようだ。それは、かっての冷戦時代の日本における「在日米軍が居るから日本が攻撃される」という左翼の宣伝と同じである。
現在の韓国は、ご存知のように「親北政権」である。盧武鉉大統領の外交上の二転三転する過去の発言を考えれば、北朝鮮のこの様な「誘い」に乗る可能性もゼロとは言え無い。ましてや、アメリカも韓国政府に対する信頼感を失いつつある現状であるから、北朝鮮の企てが成功するかもしれないのだ。韓国の盧武鉉政権では、北朝鮮が核開発をしても韓国には使用しないであろう・・・という意見が支配的である。そして、将来、南北が統一されれば労せずして核保有国になれると歓迎している事実があるのだ。・・・韓国に常識があれば心配しないけど、「親北政権」だからなぁ・・・問題解決には前途多難であるとしか言いようが無い。