「反日デモ」と言えば、今週末の中国での動向ばかりが注目されているが、韓国においても「反日デモ」は継続中であり、先日もソウルの日本大使公邸前で「高野大使を冥土に送る」と題し、棺桶を担いだパフォーマンスで高野大使追放?を訴えていた。中には公邸に侵入を試みる者も居たが、警備陣に阻止された。ただ、こうした反日行動は一部の団体によるものらしい・・・
日本テレビの夕方のニュースによると、韓国での「反日デモ」は、一部の団体がパフォーマンスとして行っているだけで、中国のように市民が参加しているものではないとの事である。なるほど、参加者に学生などの若者の姿が見えない・・・しかし、「竹島問題」以降には、日本でもこうしたパフォーマンスが大々的に報道され、如何にも韓国全土が「反日運動」を展開しているように感じられたのだ。
韓国では「竹島」について、日本による植民地支配で奪われた権利の象徴・・・つまり、歴史問題として教育されている。その為に、単なる領土問題と捉えている日本とは違い、「国民感情」によるナショナリズムを呼び覚ます事になる。そうして、韓国マスコミも一面に取り上げざるを得なくなり、死に体であった盧武鉉大統領の支持率を50%まで回復させた。
日テレの番組内での簡単な意識調査によると「竹島」について、韓国では全員が韓国領であると答えたのに対し、日本では、日本領と答えた人は60%程度に止まり、中には、何故「竹島」で日韓が揉めているのかすら判らないと答えた人もおり、この問題に対しての意識の低さを改めて感じたが、日本人全般に言える事は、「竹島」に限らず過去の歴史に対する認識の低さである。
しかし、こうした問題では、私も偉そうな事は言えない・・・過去ログでも記したが、私もつい最近までは歴史問題には無関心であったし、喧伝される中国や韓国のプロパガンダが、歪められた報道により真実であると信じ込まされていたのだ。幸いにも「拉致被害者」問題が明るみにでた関係から、徐々に歴史認識にもタブーから解き放たれつつあると感じられる。
ソウルでは先のような「反日デモ」や「日本人には販売禁止」等という過激な一面を見せる一方において、「竹島は韓国領だが、日本との関係修復」を90%のソウル市民が望んでいるという、意外に現実的な面も持ち合わせているようだ。(日テレ番組による)・・・ しかし、「竹島」がいくら韓国人にとってナショナリズムの象徴であるからといっても、朝日新聞のコラムにあったように「韓国に竹島を譲ってしまっても良い」というものではない。
こうした中韓との問題は、過去の歴史問題との兼ね合いから、外交上もこれらの国々に対し弱腰であったが、これからは、日本の主張を国際社会に訴えるとともに、歴史教育にも力を入れなければならないだろう。 残念ではあるが、現在のところ、問題となっている歴史問題については、中国や韓国のプロパガンダが功を奏しており、世界的には、日本に対する誤った認識が蔓延している状態である。日本政府は、各国の首脳達に正しい認識を伝えるだけではなく、各国の市民に対しても同様の手段を講じなければならないと思われる。